Keishi Tanaka

Statement by Keishi Tanaka -

 「焦らずに」と自分に言い聞かせてきた。そこにいる人の目ではなく、カメラの前で空中に漂うなにかを見つめながら歌った。マイクに歌を吹き込み、ラジオやネットに乗せて飛ばしたりもした。とにかく立ち止まらずに音楽を続けよう。そう決めたのは3月3日、Instgramに投稿したひとつのため息がきっかけだった。もらったコメントで目が覚める。それから約4ヶ月。まだ生きている。心はまだ無事だ。

 「焦らずに」と自分に言い聞かせている。焦らずに、やれる場所でやれるライブを計画するところからはじめようと思う。意見を言い合える仲間の店で、全員が少しでも安心して楽しめるように、屋上と窓越しをキーワードに準備を進めている。国や東京都が示すガイドラインを元に注意書きを用意し、全員に目を通してもらう。ただ、その注意書きはルールではなく、強いていうならマナーくらいのものと思ってほしい。楽しむことに必要なのはルールではない。今回はその気になれば全員の顔を覚えられる人数。そうであれば、お互いを感じることで、嫌な思いをせずに同じ空間を共有できるのではないか。僕も、事務所も、店も、お客さんも、一緒にひとつのライブを作る感覚。今回はいつもにも増してその感覚を信じたい。

 「焦らずに」と自分に言い聞かせる生活は、まだしばらく続きそうだ。そのなかで、どのようにライブを取り戻していくのか。今のところ、信じられる人と、少しずつはじめるよりほかない。それが唯一の方法だと思っている。正解はわからない。リスクは残る。それでもいつかはやる。ただそれだけのこと。ゆっくりと、自分のやり方ではじめよう、お互いに。

 その歩みの一歩として、「ROOMS」を開催します。


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